ザイゴマインプラントについて
口・歯 診療のこと
歯周病やむし歯などによって多くの歯を失った場合、お口の機能を回復するための治療方法の一つとしてインプラント治療があります。インプラント治療の基本は1本のインプラントに1本のクラウン(義歯)を取り付けるため、失った歯が多いほど治療にかかる費用や治療時間、身体的負担が大きくなることが大きな課題でした。
その課題の解決策として生まれたのが、「All-on-4」という治療法です。インプラントを斜めに埋入することでインプラントにかかる負担を分散できるため、上または下顎全体を4~6本のインプラントで支えることができます。食べ物をしっかりかむことができ審美性も高いので、多くの患者様に選ばれています。
しかし、顎の骨量が少ないなどの理由によりAll-on-4治療ができない患者様もいらっしゃいます。そんな患者様と接してみると、重度の歯周病や身体的に歯が弱いといった悩みを長い間抱えられていることが非常に多く、治療の選択肢があまり無いことが実情でした。
このような患者様に対しての治療方法に「ザイゴマインプラント」という治療法があります。All-on-4治療のように斜めにインプラントを埋入するのですが、通常よりも長いインプラントをザイゴマ(頬骨)まで埋入することで、顎の骨量が少ない患者様にも適用できます。ザイゴマインプラントは県内でもまだ対応可能な医院が少ないのが実情ですが、インプラント治療をご検討の患者様で治療ができないと断られた方も、一度検討してみてはいかがでしょうか。
(2024年4月執筆)