漢方薬と在宅医療
シニア 成人 薬
江戸時代には、漢方医が自宅を訪問して漢方薬を処方し、治療を施していました。つまり現代の訪問診療が中心でありました。日本医学は、伝統医学として1000年以上、漢方(=東洋医学)でした。ドイツ医学が長崎出島からオランダ語によって入ってきて「蘭方」と呼ばれるようになり、それに対して伝統医学は「漢方」と呼ばれるようになりました。
現在問題となっている多剤投薬に対して、漢方薬は解決策になり得ます。例えば、有名な葛根湯は2000年の歴史を経て残った「レシピ」なのです。漢方薬は、「和の思想」であり、超高齢化社会に大変適した考え方です。経済的にも相互作用の軽減にも大きな威力を発揮します。漢方薬は病名ではなく症状に対して処方できるので、たとえ治療法がない病気であっても何らかの対処をすることができ、これが在宅医療で重要な安心感につながるのです。
(2022年1月執筆)