肺動脈血栓塞栓症
予防 成人 血液・血管
静脈血は全身から心臓に戻り、肺動脈を通って肺に行きます。肺動脈と呼びますが、流れる血液は静脈血です。肺胞で空気中から酸素を取り込み、二酸化炭素を放出しますが、肺動脈が血栓や塞栓でつまると、このガス交換が障害され、呼吸苦・息切れ・血痰などの症状が出現します。広範囲に急激につまると死亡することもある危険な疾患です。
エコノミークラス症候群として知られていますが、長時間筋肉を動かさずじっとしていると血管内、特に下肢の深部静脈に血栓ができることがあり、筋肉を動かし始めた時にこの血栓が剥がれ、静脈の流れに乗って心臓を通過し、肺塞栓症を起こしてしまいます。
動かないこと以外にも肥満や悪性腫瘍、経口避妊薬などのホルモン剤などでも血栓を起こすことがあります。徹夜で長時間パソコンに向かっていたことで下肢に血栓を起こした人もいます。性別にかかわらず若い人にも起こるので注意しましょう。
(2021年10月執筆)