適応障害について
心・精神 診療のこと
適応障害とは、職業・人間関係・環境変化などのストレス因によって、不安、抑うつ、その他の心身の不調を来した状態です。ストレス因がなくなると短期に回復し、また、うつ病の診断基準を満たさないとされ、そのため軽症とみなされがちです。
しかし、実際には苦悩は軽くなく、生活や職業への支障も小さくありません。適応障害はストレスが原因、うつ病はセロトニン神経系などの不調が原因、と区別することもありますが、実際はそれほど単純ではないと専門家は指摘します。
例えば、両者に似たような症状が見られることがあり、また、ストレスによってセロトニン神経系は不調に陥ることも知られています。何より、適応障害でもストレス状況が長引いたり、トラウマ的であったりして経過が長引くことがあり、うつ病へと変遷していく例も見逃せません。ストレスによる不調の際は早めの相談が望ましいと思われます。
(2021年8月執筆)