前立腺疾患
シニア ペット
前立腺は、雄で特徴的な膀胱から出てすぐの尿道を取り囲むような組織で、精液の液体の部分を生成しています。犬でよく発達し、猫ではほとんど目立ちません。この組織は男性ホルモンであるアンドロゲンに強く依存しているため去勢した雄犬では著しく小さくなりますが、未去勢では年齢とともに大きくなり、シニア期にはだいぶ目立つようになります。
前立腺にトラブルがあると排便・排尿に苦戦したり、炎症があれば発熱したり、疼痛が出て歩き方がおかしかったり、痛みで声をあげたりすることもあります。血尿が出ることもあるでしょう。また、足が痛そうに見えて、調べてみたら前立腺の影響だったということはとても多いので、未去勢で老齢の雄犬を飼っている場合は注意が必要です。
治療としては去勢手術や抗菌剤や抗男性ホルモン剤の投与が主ですが、そうなる前に若いうちに去勢手術を検討してもいいのではないかと思います。
(2021年7月執筆)