高齢者・認知症の自動車運転について(2)
シニア 時事
認知症の人に運転能力の低下が起こる要因としては、いくつかの「注意力」の低下が言われています。
「車の運転に集中する」など一定のことに向ける注意力や「高速道路を長時間運転する」など1つの状態を持続する注意力は、認知症になっても比較的保たれます。しかし、「運転中に信号を確認しながらサイドミラーで後方を確認し、ブレーキを踏む」など2つ以上のことを同時に行う注意力は分散されてしまいます。認知症の人は、判断力が低下し注意を適切に選択することが難しくなり、情報処理が上手にできなくなることが危険運転の要因として考えられます。
高齢者全員が必ずしも不適切な運転をしているわけではないことはもちろんですが、加齢によって注意力や判断力が鈍ることは事実です。「自分はまだ大丈夫」という過信は、思わぬ事故につながることもありますので持たないようにしましょう。
(2019年7月執筆)