貧血
血液・血管 診療のこと
血中ヘモグロビンが減少している状態が貧血です(めまいや失神発作を起こす時も貧血と言いますが、この場合の脳貧血とは違います)。ヘモグロビンは赤血球の成分で鉄を含んでおり、鉄が空気中の酸素を取り込み、心臓のポンプ作用で全身に酸素を送ります。貧血になるとポンプを速く回して酸素不足を代償するため脈拍や呼吸数が増加し、労作時には動悸や息切れが出現します。
症状は貧血の進行速度で大きく異なり、短時間に30%程度の血液を失うと血圧低下・意識障害などショック状態になりますし、徐々に起こると慢性低酸素状態が倦怠感・易疲労感・頭痛・耳鳴り・めまいなどを起こします。しかし中にはヘモグロビンが50%以上減少しても自覚症状に乏しい人がいます。貧血の原因は鉄欠乏、ビタミンB12欠乏、慢性炎症や腎臓疾患・悪性腫瘍などに伴うことがあり、高齢になるほどさまざまで検査が必要です。
(2018年11月執筆)