アトピー性皮膚炎と食物アレルギー
アレルギー 予防 皮膚
アトピー性皮膚炎は乳幼児期に食物アレルギーを合併しやすいことは周知の通りです。最近では抗原を経口摂取ではなく経皮的に感作され食物アレルギーを起こすことも考えられています。
小児の食物アレルギーの90%以上が乳児期に発症し、その多くは生後3か月以内に湿疹として症状が出現します。食物アレルギーを合併した乳児は、以前では経胎盤感作や経母乳感作が考えられていました。しかし、最近では食物抗原が経皮的に体に入れば感作され、むしろ口から食べれば免疫反応が弱くなると考えられています。
例えば、口の回りに湿疹があり、そこに食べ残しが付着していれば経皮感作の危険性があります。このことから、乳児期から積極的に適切なスキンケアを行い、皮膚炎の悪化を防ぐことで、経皮的感作を防ぐことができます。それによって、その後の食物アレルギーなどの発症を抑えられる可能性が考えられています。
(2018年3月執筆)