「空気を読む」ことの功罪
心・精神
ひとにはみな得意と不得意があります。例えば周囲から情報を得る時、主に視覚を利用するのが得意なひとと聴覚経由が得意なひとがいます。図や本などを利用するのと説明を聞くのと、どちらが頭に残りやすいかといったところでしょうか。得意不得意には生まれつきの面が大きい場合があり、それに逆らって無理をすると苦しくなり、うつの原因にさえなります。やはり好き嫌いも含め得意を生かせる環境が居場所となるのが一番なのでしょう。近年はなぜかひとにコミュニケーション能力ばかりを求めますね。「空気を読め」と。さらに一人に複数の能力を要求するようになっています。昔は会社には寡黙ながら特技をコツコツ職人的にこなすひとが必ずいて、それが日本企業の戦力になっていたと思います。そういうひとの居場所がなくなり、せっかくの能力を生かせないところに、日本の不調の一因があるようにも思えます。
(2016年8月執筆)