アトピー性皮膚炎の経過
アレルギー 子ども 皮膚
アトピー性皮膚炎(AD)の子どもたちが将来どれくらいの確率で良くなるのかということは、保護者にとって非常に気にかかる点だと思います。ADは一般に乳幼児・小児期に発症し、加齢とともに患者数は減少し、一部の患者さんが成人型のADに移行すると考えられています。1歳未満で小児アレルギー専門医によりADと診断された、169人の乳児を4年間追跡した大嶋らの報告では、症状は51%で改善、34%で消失したとあります。阿南らの研究では自然寛解は2~3歳頃から認められ、50%が自然寛解に到達するのが8~9歳、16歳を過ぎると全体の約90%が自然寛解すると報告しています。ただし、食物アレルギーの関係したAD患者さんは寛解が遅れる傾向にあること、また一度改善した小児AD患者さんが思春期に再燃する場合も稀ではありませんので、乳幼児期から寛解を目指して治療しましょう。
(2015年8月執筆)