人工呼吸器依存頸髄損傷患者の在宅医療
シニア 診療のこと
近年は救急医療の進歩と普及により、高齢者における頸髄(けいずい)損傷患者の救命率が向上し、人工呼吸器依存頸髄損傷患者が増加してきています。しかし、人工呼吸器依存頸髄損傷患者が在宅療養へ移行するには、介護者の負担が大きく困難な場合が多いのも事実です。
在宅療養へ移行するにあたり、発声能力の獲得、呼吸器離脱能力の獲得、効果的な気道クリアランス方法、危機管理体制の整備は、QOLおよび安全性向上ために重要であり、在宅療養を可能にするためには必須です。また、在宅人工呼吸療法は、介護負担や経済的負担など、家族の多大なる努力の上に成り立っているのが現状です。
それらを支援するため、在宅訪問リハビリテーション・訪問看護・訪問診療を中心とした医療介護チームによって、病院から自宅での生活へ切り替えることが可能となっています。
(2023年8月執筆)