バイキンとウイルスは違うの?
感染症 診療のこと
新型コロナが流行して以来、「ウイルス」という言葉をよく聞くようになりました。ではウイルスは、同じように病気の原因になる「バイキン(細菌)」とは違うものなのでしょうか。答えは、全く違うものです。細菌は細胞でできている生物で、人間にとっては病気の原因にもなりますし、人間の味方になる細菌もいます。一方、ウイルスは遺伝子を包む殻のようなものがあるだけで、細胞はなく、生物ともいえないものです。また細菌は自分で増殖することができますが、ウイルスは他の生物に感染しなければ増殖することはできません。
これほど違うものなので、これらによる病気の治療も異なります。細菌には抗生物質が効きますが、ウイルスには効きません。ほとんどの風邪やコロナ、インフルエンザはウイルスによるものなので、抗生物質は効果がないばかりか、我々にとって必要な細菌も殺菌してしまう可能性もあります。
(2023年2月執筆)