自分の歯の寿命を延ばす
口・歯
いつまでも健康的な毎日を送るために、お口のケアが欠かせないことは多くの人に認知されるようになりました。しっかりかめる歯は体の健康を支える基礎とも言えるでしょう。私たちの平均寿命が延びているように、一人ひとりの歯の寿命も延びていれば一番良いのですが、実情はその延びに追いついていません。調べてみると45歳の平均残存歯数は26.4本、55歳の平均残存歯数は23.6本とあり、ここで約3本の喪失。65歳の平均残存歯数は18.3本で、さらに約5本を喪失することに。75歳の平均残存歯数は10.7本なので、さらに約8本の喪失と、歯は加速度的に失われていきます(歯の寿命をのばす会より)。
40代以降になると歯の喪失原因として歯周病が多くなります。歯の寿命を延ばすために、この対策は欠かせません。その答えが正しい知識で行う毎日のセルフケアと、歯科医院で行う定期健診とプロケアです。歯周病は初期症状が分かりにくく、歯周病だと認知した時にはかなり進行していることが多い病気です。実際に成人の約8割は歯周病であるとも言われており、歯周病対策にプロケアは有効です。
人生100年時代と言われるようになりました。大変喜ばしいことですが、健康寿命を延ばすこと、ご自身の歯の寿命を延ばすことがこれからの課題です。働き盛りの中高年世代こそ、いつまでも元気で人生を楽しめるように口腔ケアの時間を作るようにしましょう。私たち歯科医師、歯科衛生士は皆さんの健康を支えるサポーターなのです。
(2020年3月執筆)