食道内異物
ペット
元気な犬や猫は食べ物をよくかまずに飲み込むことがあります。ある程度の大きさのままフードを飲み込むと、その反動で食道内のフードを吐き出しますが、すぐに吐いたフードを食べてしまいます。また、異物を飲み込むと、吐き出せずに食道内に詰まることがあります。犬用のガム、魚や鶏の骨、果物や野菜のかけら、梅や桃の種、縫針や釣り針、プラスチックなどの誤飲には注意が必要です。
食道には内容物を胃に運ぶ蠕動(ぜんどう)という働きがありますが、食道内異物は蠕動運動があっても食道を通過しにくいので、動物は嘔吐したり、元気や食欲がなくなったり、よだれを垂らし呼吸が荒くなったりします。何かを飲み込んだ後にこのような症状が見られたら、緊急の検査や処置が必要です。発生から時間が経っていると食道の炎症や穿孔、狭窄、壊死を起こしたり、よだれを飲み込めないために気道によだれが入る誤嚥性肺炎を起こしたりすることがあります。
(2020年3月執筆)