おうちで最期まで過ごすには? 摂食障害(3)
シニア
認知症患者における摂食障害については、介護者の十分な理解と対応が必要です。食事に手を付けようとせず、食べ物で遊び始めることもあります。これは食べ物だと認識できていない可能性があります。これを失認と言います。普段、私たちは味噌汁と泥水を間違えることはありませんが、認知症患者は、認知機能低下、失認により、視覚的に食べられるものと食べられないものを判断・区別できないことがあります。
対応策としては、介護者が「温かいお味噌汁ですよ」と声を掛けるなどすることで食べ物と認識し、食べ始めることもあります。また、温め直して香りを立たせる、ご飯をおにぎりにして手に持ってもらうなど、嗅覚や触覚などの根源的な感覚を生かすことで、食べ物の認識が促され、失認を補うことができるのです。また、薬物治療や作業療法により症状軽減・進行抑制ができることもあります。
(2019年11月執筆)