胸水
熱・咳・寒気 胸部・腹部
肺は胸膜という薄い膜に覆われています。胸膜は臓側胸膜と壁側胸膜の2枚があり、その間に貯まる液が胸水です。
胸水貯留の症状は、胸の重い感じや咳などで、さらに多量になると息切れ・呼吸苦・呼吸困難などが出現します。しかし多量でも貯まり方がゆっくりだと無症状のことがあります。肺は痛みを感じませんが、胸膜は痛みを感じるので胸膜炎を起こすと、胸水とともに痛みや発熱がみられます。
胸水の原因は胸膜炎や胸膜に発生する中皮腫だけでなく、悪性腫瘍や心臓病(心不全)・肝臓病(肝硬変)・腎臓病(ネフローゼ)・膠原病などさまざまな疾患で貯留することがあります。CTやレントゲンで胸水の有無の診断が可能ですが、原因疾患を特定するためには胸水を採取して成分の検査も必要となります。息苦しくなって初めて胸水の貯留が分かり、ガンが原因だったという話もまま聞くところです。
(2019年4月執筆)