長く続くセキは胃酸が原因かも
熱・咳・寒気 診療のこと
3週間以上セキが続くことを慢性セキと呼びますが、その原因にはいろいろなものがあります。中でも意外に多いのが逆流性食道炎です。
逆流性食道炎とは胃から出る消化液(胃酸)が食道に逆流することにより、酸に弱い食道の粘膜が炎症を起こして発症します。症状の代表は「胸焼け」や「酸が込み上げてくる」、「食べ物がつかえる感じ」などで、セキも良く見られる症状の一つです。胃酸は食事をすると多く分泌されるので症状も食後数時間に出やすく、また寝た状態の方が胃から食道に胃酸が流れ込みやすくなるので、就寝中も症状が出やすくなります。
セキは逆流した胃酸が気管の入り口付近を刺激するために起こるので、セキ止めだけを服用してもなかなか良くなりません。治療は胃酸の分泌を抑える薬を服用することですが、改善するまでに2週間以上かかることがあるので、しばらくは継続して薬を飲む必要があります。
(2019年3月執筆)