体にあった素材
口・歯 診療のこと
人間科学や医学、技術は以前と比べ大きく進歩してきています。少し前までは、かみ合わせと体の関係もここまで解明できていませんでした。また、予防歯科に対しての考えも昨今は認知されてきているように感じています。人間の体のつくりの解明によって歯科治療に使用する素材も多様になりました。その一つがセラミックです。
歯の治療において、むし歯などで削った部分をインレーで補います。このインレーに使う素材はレジン(樹脂)や金属(いわゆる銀歯)が保険対象でもあり、多くの人が利用しています。お口の中にある歯は熱い食べ物や冷たい飲み物などさまざまな影響を受け、歯そのものの温度が変わってきます。この時、わずかながら歯は膨張や伸縮が起こり、歯と違う素材であるインレーや金属は膨張や伸縮率が違うため、接着剤が剥がれ、その間に隙間ができ、歯垢が溜まり、むし歯の再発となることがあるのです。セラミックは自然の歯と非常に似た膨張率、伸縮率を持つ素材であり、審美性も高いことで利用されることが多くなっています。せっかく治療した歯を長持ちさせるためにも、セラミックという選択を考えてみてはいかがでしょうか。
(2018年12月執筆)