心房細動の抗凝固療法
薬 血液・血管
心房細動になると心房が正常に血液を拍出できず、心房内に乱流を起こします。本来、心臓内で血液は凝固しませんが、乱流が起こると心房壁に凝固し、剥がれると血流で運ばれ、脳梗塞を起こします。特に広範囲の脳梗塞を起こすことが多くなります。
血液を固まりにくくして血液凝固を防止する薬が抗凝固薬です。抗凝固薬には古くからワーファリンが使われています。これは肝臓でビタミンK依存性凝固因子の合成を阻害して効力を発揮しますが、食物や薬などで効力が変わることがあるので比較的頻回の血液検査が必要になります。
そのため最近はNOACと呼ばれる薬がよく処方されています。当然ですが抗凝固薬によって止血しにくくなり、致命的な脳出血や大出血などの緊急時に、NOACには抗凝固効果を中和する薬がありません。一方、ワーファリンは中和薬が昨年承認され、今後の有効性が期待されています。
(2018年8月執筆)