レムナントコレステロール
血液・血管 診療のこと
動脈硬化の進行には脂質異常症や糖尿病・高血圧などさまざまな要因が関与します。動脈の壁にコレステロールが沈着しプラークが形成され、動脈内腔を狭窄・閉塞して致命的な疾患を引き起こします。
このコレステロールにはHDL(善玉コレステロール)、LDL(悪玉)、IDL(中間比重)、VLDL(超低比重)、カイロミクロンがあり、中でも血中のLDLの高値やHDLの低値が動脈硬化の進行に大きく関わっていることが分かっています。
LDLやHDLの異常を改善すると冠動脈疾患の発症率は減少しますが、それでも発症する例があり、レムナントコレステロールの関与が注目されてきました。レムナントはカイロミクロンやVLDLが血中でリポ蛋白リパーゼの作用で変化した中間産物で、これもプラーク形成・促進の一因であると解明されました。
今後さらに研究が進み、動脈硬化性疾患のさらなる減少が期待されています。
(2018年1月執筆)