発達障害の診断について
心・精神
「発達障害ではないでしょうか? 」と受診する人が増えました。例えば就職後、コミュニケーションの齟齬(そご)から仕事がうまくいかず、うつ状態になってしまった人の中に見られます。しばしば、すでに発達障害専門外来を受診していますが、診断基準に当てはまらないと言われ、助言もなく途方に暮れています。診断基準の解釈が厳格すぎて軽度障害を無視している例が多く、未熟な性格と言われたり、育ちの問題と言われ親子げんかになったという話さえあります。
発達障害(的な障害)を正常と異常に二分するのは無意味です。人前で場違いなことを言ったり行動したりしたことのない人がいるでしょうか? 自分は空気が読めると豪語できる人はいるでしょうか?
誰でも発達障害的な部分を持っています。それは、こころの中の平面的二次元的な部分で、考えや感情をこころの容器として受け入れ消化できず、困難に陥るのです。
(2017年9月執筆)