過矯正の眼鏡をかけていませんか?
目 診療のこと
患者さんが眼鏡を使用している場合、まずは度数が合っているかを調べますが、最近は「過矯正」の眼鏡を使っている人が増えているように感じます。「過矯正」とは、「近視を矯正しすぎている」すなわち「きつすぎる眼鏡をかけている」状態です。「遠くがはっきりと見える眼鏡が良い眼鏡である」と認識している人が多いと思いますが、必ずしもそうではありません。
人間の目は、近くのものにピントを合わせようとするときには目の中の毛様体筋という筋肉を使っています。遠くが見えすぎる眼鏡をかけた状態でパソコンなど近くのものを長時間見ていれば、目には余計な疲労が蓄積して、ひどくなると頭痛や吐き気の原因にもなります。
現代社会では、遠くを見るよりも近くを見る時間の方が圧倒的に多く、過矯正の眼鏡をかけることによって知らず知らずのうちに目を酷使している人がたくさんいるように思います。目の疲れを感じたら、眼科での眼鏡度数チェックをおすすめします。
(2024年9月執筆)