異物摂取~食道梗塞~
ペット 診療のこと
食欲の秋になり、おいしいものが増えてきますが、わんちゃん・ねこちゃんに普段と違う食事を与えるときには、気を付けないと異物摂取の危険が増えてきます。
あまり聞き慣れないですが、「食道梗塞」という病気があります。動物たちは多少大きなものでもかまずに飲み込んでしまうため、種や骨、果物や野菜の大きな破片が原因となり、それらが食道に詰まってしまうのです。食道梗塞は、食道が拡張しにくい胸郭前孔、心基底部、食道尾側で起きやすく、レントゲンや造影検査で異物の診断を行います。内視鏡検査で異物の摘出を行いますが、摘出できない場合や、異物によっては胃の中に押し出して開腹する場合があります。
動物たちには食べたらダメなもの、危険なものは分かりません。そして、何度も繰り返す場合が多いです。一緒に暮らしていく上で、人間の目線ではなく動物たちの目線になって注意していきましょう。
(2022年9月執筆)