腫れとしこり~子宮蓄膿症~
ペット 診療のこと
このような話があります。生理から2か月の犬の「あずきちゃん(仮名)」、陰部から膿が出ていて食欲も元気もありません。急いで病院に連れていくと、診断は子宮蓄膿症。命の危険がある状態でした。緊急手術で卵巣と子宮を摘出し、一命を取り留めました。今ではすっかり体調も良くなり、食欲も増え、飼い主さんは一安心したということです。
「子宮蓄膿症」は、いわゆる子宮の中に膿がたまる病気ですが、罹患したワンちゃんの中には、この「あずきちゃん」とは異なり、膿が見られない子もいます。また、水をいっぱい飲み、おしっこをたくさんする、いわゆる多飲多尿もこの病気の特徴の一つです。どうやら「あずきちゃん」にも同じ症状があったようです。
予防は、若齢での子宮と卵巣を切除する避妊手術です。避妊手術で予防できる病気は他にもあります。愛犬に気になる症状がある場合は、専門医に気軽に相談してください。
(2022年5月執筆)