義歯の悩み
口・歯 診療のこと
健康を長く維持していくために、栄養を取り込む食事は大切な要因の一つです。しっかりかめると、おいしい食事を楽しむことができ、その後の消化の助けにもなります。厚生労働省の情報提供サイトによると、時代とともに歯の喪失率は下がってきていますが現在、後期高齢者の約3割は総入れ歯を使っている状況です。義歯の使用状況も年齢が進むに従い、ブリッジ→部分入れ歯→総入れ歯と大きな義歯を使用するようになっています。歯根まで喪失した場合、隣の健康な歯を削りブリッジにする今までの療法から、失った部分をインプラント(人工歯根)に置き換え、隣の健康な歯をできるだけ残していく療法にすることで、大きな義歯にならないようにすることができます。今までの義歯は、日々のお手入れや義歯と歯茎との隙間にモノが挟まり痛みが出る、突然外れてしまうなどの悩みがありましたが、インプラント義歯では自分の歯のような日々のお手入れで、外れる心配もありません。
しかしインプラント治療にもデメリットがあります。保険適用外であり、口腔外科手術となり短くても約4か月間の治療期間が必要であること、体調や体の状態によって治療ができない場合もあることなどです。検討には信頼できる歯科医との相談が不可欠です。歯科医として客観的に考えても、インプラント治療そのものは確立された治療法であり、残っている健康な歯を維持でき、義歯による悩みが少ない良い治療法だと思います。今、義歯でお悩みの人は、その悩みをぜひ信頼できる歯科医に相談してみてください。そして、あなたに一番適した義歯が何であるのかを一緒に見つけていきましょう。
(2021年12月執筆)