ノロウイルスも忘れずに
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最近ではウイルスといえば新型コロナウイルスですが、ノロウイルスも忘れてはいけません。ノロウイルスは急性胃腸炎の原因として最も多く、発症すると繰り返す水様の下痢や嘔吐、発熱、腹痛などの強い症状が出ます。
ノロウイルスは、感染した他人からうつることもあれば、カキなどの貝類の生食などによる食中毒の場合もあります。少ないウイルス量で感染するためうつりやすく、特に便や吐物にはノロウイルスが多く含まれるため、家族内で感染が広がってしまうことも多くあります。
今のところウイルス自体に効果のある薬剤やワクチンはなく、多くの場合は数日で自然に改善するため、治療は主に症状を軽くする対症療法が行われます。頻繁な下痢や嘔吐による脱水症を防ぐために十分な水分摂取をして、改善を待ちます。下痢止め薬の服用は病状の回復を遅らせるため、極端に下痢がひどい場合以外は用いません。
(2021年5月執筆)