腰が痛くて、熱もある?
熱・咳・寒気 背中・腰
腰が痛くなる病気も、熱が出る病気もたくさんありますが、両方同時に起こる病気はそう多くありません。腎臓に炎症を起こす「腎盂腎炎(じんうじんえん)」はその代表です。腎臓は背中に左右一対ある、尿を作る臓器です。腎臓で作られた尿は膀胱にたまり、尿道を通って排泄されますが、バイ菌が尿道から逆流して腎臓まで達し、炎症を起こすのが腎盂腎炎です。
主な症状は高熱と腰や背中の痛みですが、強い自覚症状がないこともあります。腎臓で増えたバイ菌が血液に入って、全身に強い炎症を起こす敗血症の原因となることもあります。多くの場合は、抗生剤による治療を行えば改善しますが、治療が遅れるなどで重症になると命に関わることもあります。腎臓から尿道までの尿の通り道は、尿の量が減るとバイ菌が繁殖しやすくなるので、予防には日頃から水分を十分にとり、尿量を十分に維持することが大切です。
(2020年9月執筆)