おうちで最期まで過ごすには?(7)
シニア 診療のこと
「何もせず、ただ家族の死を待っているだけでいいのでしょうか? 」
大切な家族の死を受け入れることができずに、そこでの不安、苦悩が頭の中をぐるぐると巡ります。
それによって、精神的にも不安定な状態となり、感情的な行動や心に動揺が見られることがあります。特に、治療方針決定、判断が求められた場合には、誰が最も代理判断者なのか。本人に判断能力があれば問題無いのですが、無い場合に迷走することが多々あります。本人の価値観を尊重する判断を誰が行うのか。現在の日本では、慣習として法律的根拠が無く判断者を決定することが少なくありません。
家族内での意見の不一致もあり、自分たちの死に対する倫理的な話し合いが、普段から少ないことも影響します。家族皆さんが健康な時こそ、死に対する話し合いをすることによって、いざという時に判断がつきやすくなります。
(2018年11月執筆)