在宅医療と成年後見制度
シニア 成人
在宅にて療養している人の中には、認知症などで日常のいろいろな物事に対する判断能力が不十分な人もいます。実際には、不動産や預金などを管理したり、介護サービスの利用契約を結んだり、賃料を支払ったり、何かと手続きなどを行うことが難しくなっているケースが増えています。正確な判断ができないままに契約を結んでしまい、悪徳商法に巻き込まれてしまう恐れもあります。
そうした不安や問題を解決するための制度が、「成年後見制度」です。まだ判断能力がしっかりしているうちにあらかじめ後見人を決めておく「任意後見制度」と、すでに判断能力が不十分となっていて支援者が必要な場合の「法定後見制度」の2つがあります。
病状および生活環境を理解している在宅医の診断書をもとに、どのような保護や支援が必要かといった事情に応じて、親族や法律、福祉の専門家などが家庭裁判所に選任されます。
(2022年12月執筆)