むし歯の再発で歯は弱くなる
口・歯 診療のこと
年末が近づき忙しい時期です。慌ただしいときは自分のことを後回しにしがちですし、お口のケアが普段よりもできていない人もいらっしゃるでしょう。むし歯治療の場合、むし歯になってしまった患部を削り、削った箇所を人工物で補います。この時点で、健康な歯と比べると歯の強度は当然弱くなります。
大人のむし歯の特徴の一つとして、過去のむし歯治療で用いた詰め物の下でむし歯が再発することが挙げられます。この場合、詰め物と歯の隙間に細菌が侵入して再発していることが多く、以前の治療時と比べ歯の奥深くまでむし歯が進行し、神経に達している可能性もあります。また過去に神経を抜いている歯の場合、「痛み」という警報が作動せず気付くのが遅くなり、むし歯がさらに進行し、抜歯という選択しかない場合もあります。厚生労働省の情報サイト「e-ヘルスネット」によると、20歳以上の約9割がむし歯の罹患経験者であり、40歳以上の約4割はむし歯が原因で抜歯されているとあります。
現在では、できるだけ自歯を残す治療が行われていますが、再発により患部が削られるたび、歯は薄くもろくなってしまいます。症状の再発を防ぐことが自分の歯を守ることにつながるのです。口腔ケアを習慣化してむし歯の再発予防に努めましょう。
(2022年12月執筆)