おうちで最期まで過ごすには? (4)
診療のこと
自宅で死ぬことを覚悟するには、本人も家族も病状について十分理解することが必須です。しかし現実には、特に末期がんに関しては、医師が家族にのみ告知したため、本人は自分の病気や今後のことが理解できず、終末期ケアのプランを受け入れることができないこともあります。また、告知されたとしても、本人・家族が死を受け入れられず、自宅での療養は家族に苦労をかけてしまうのではないかと心配してしまい、自宅での看取りが困難になるケースもあります。
死に行く時期に、どんな症状が出るのか、どのような対応をすればいいのか、医療・介護力・家族の協力体制によって、十分にコミュニケーションを図り、十分な理解を得ることが必要です。疼痛・嘔気・呼吸困難などの不快な症状の管理、精神的苦痛の除去などの十分な緩和ケアによって、本人・家族の不安や苦痛を緩和することが可能になります。
(2018年8月執筆)