脈が遅いけど大丈夫ですか?
診療のこと
健康診断などで脈拍数が少ないと指摘される人がいます。我々の安静時の脈拍数は毎分60〜90回です。いろいろな基準がありますが、毎分50回以下になると脈拍数が少ない「徐脈」と診断されます。しかし徐脈の全てが問題になる訳ではなく、症状がなければ様子を見られることがほとんどです。
徐脈による症状とは動くと息切れがする、一時的に目の前が暗くなる、気を失うなどです。もし徐脈が見つかった場合、まずは原因を調べます。原因はさまざまですが、心臓にある脈を調節する場所の異常や甲状腺などのホルモンの異常、服用中の薬によるものなどがあります。
原因が治療できる時は治療し、原因の治療が難しい場合はペースメーカーという人工的に脈を補う機器を体に植え込みます。体に植え込むと聞くと怖い感じですが、最近では薬のカプセル程の大きさの機器も開発され、状態によっては体への負担が少なく治療できます。
(2018年3月執筆)