「シニア動物」と暮らす (9) 前庭疾患
シニア ペット
突然元気がなくじっとしている。少し歩くとバランスを崩しふらついてしまう。よくみると頭を片側に傾げていて、自分では頭の位置を元に戻せない。両目が周期的に同じ方向へ細かに揺れる(眼振)。こうした症状が見られる場合、鼓膜の奥の内耳にある前庭の疾患が考えられます。
前庭は体の位置情報を脳に伝え姿勢や平衡感覚を司ります。前庭疾患では、動物は位置感覚が鈍り真っ直ぐに歩けません。眼振があると、人と同様にめまいを感じ、船酔いのようにふらつきや気持ち悪さから嘔吐や、食欲低下がおこります。突然症状が見られることが多く、動物の変化に戸惑う飼い主さんは少なくありません。
突発的にシニア動物に起こることもありますが、外耳炎や耳の腫瘍、外傷、時には脳の腫瘍・炎症・梗塞も原因となるため、早めの検査や治療が必要になります。このような症状が見られれば、一度主治医に相談しましょう。
(2018年2月執筆)