予防の話~混合ワクチン
ペット 予防
今回は、犬の「混合ワクチン」について、診察室で話題になる疑問にお答えします。『ワクチンとは?』感染症のウイルスの毒素を弱めた「抗原」のことです。ワクチン(抗原)を体内に接種すると、この抗原に対する抗体が体内で新たに作られ、抗原は退治され「抗体」だけが体内に残る仕組みです。
『0歳齢で3回ワクチン接種が必要な理由は?』仔犬は、生後母乳から「抗体」を得ます。これを移行抗体といいます。しかしこの移行抗体はいずれ消滅するため、以後は自身で抗体を作る必要があります。そこで移行抗体が最も早く消滅する場合を考慮し、第1回目(最短で生後42日目)のワクチンを接種します。しかし、第1回目の時期は移行抗体が残っており、ワクチンの抗原と拮抗し、ワクチンの効果を弱めてしまう可能性があります。そのため、その1か月後、さらに1か月後に同様の理由で計3回のワクチンを接種する必要があるのです。
(2016年12月執筆)