歯科治療の不思議
口・歯
例えば歯痛で歯科治療を受けたとき、上手に歯随を保存できて痛みが取れた場合と、痛みが取れずに歯髄を除去した場合では、治療費が全く違ってきます。
前者の歯髄保存が上手くいった場合では、通院は1〜3回程度で終了して治療費が安く済み、歯を削る量も少なく健康的です。後者は歯髄を除去したために平均2カ月ほど通院することになり、大きく削るので感染しやすく、補綴物も大きくなります。また、後々の再治療率も70%と高く、再治療を4回程度行うことで歯はさらに薄くなり、散々通院した挙句に歯を喪失する可能性が高くなります。事実、歯科医院に通っている人の大半は、過去に根管治療をしたことがある歯の治療のために通院しています。
歯科は、歯髄保存を上手に行い、痛みを取って治せる医院の方が受け取る報酬が少ないという不思議な業態なのです。上手に治すことができれば、インプラントや入歯にはなりません。
(2025年1月執筆)