
もの忘れの原因 正常圧水頭症
シニア 診療のこと 頭部・首・肩
前回、アルツハイマー型認知症について書きました。今回は正常圧水頭症についてお話しします。
正常圧水頭症とは、脳の周囲を循環する脳脊髄液の流れが悪くなり滞ってしまうことで、脳が圧迫され発症します。認知機能低下や歩行能力の低下、尿失禁を来すとされています。正確な頻度は不明ですが、65歳以上の0.5%〜2.9%という報告もあり、決してまれな病気ではありません。
MRIやCT検査の結果と前記の症状から、正常圧水頭症の可能性を疑います。診断を確定させるために、脳脊髄液を採取してみて症状が改善すれば正常圧水頭症の可能性が高まり、シャント術という手術を受けることになります。
このように、積極的に治療を行うことができる認知症もあります。まずは、忘れっぽさを感じたり、指摘されたりしたら、一度診察を受けてみてはいかがでしょうか。
(2025年5月執筆)
