広場恐怖症について
心・精神 診療のこと
電車、飛行機、映画館、人混みなどで、安全な場所に逃げられない・助けが得られないと感じ、不安、恐怖を感じる状態を広場恐怖症といいます。息苦しさ、動悸(どうき)、めまいなどパニック発作を伴うこともあります。誤解されやすいですが、予期せぬ状況でパニック発作が生じるパニック症とは区別されます。(合併することはあります)。
多くは恐怖を引き起こす状況を避け、電車に乗らない、空いた各駅停車を利用する、など生活に悪影響を及ぼし、悪循環を招き、症状が悪化します。うつ病に陥ることもあります。
不安を消そうとせず受け入れ、これ以上行動範囲を狭めず、やり過ごすようにすることが大事です。リラックス法、呼吸法などを身に付けるのも良いでしょう。症状が出ても大丈夫と思えるようになると症状はなくなります。当初は抗不安薬も使いますが、SSRIを継続的に服用するのが基本です。
(2024年6月執筆)