猫の肥大型心筋症 (1)
ペット
猫の肥大型心筋症は心疾患の中でも最も一般的で、高い頻度で発生します。犬と違うのは聴診だけではスクリーニング検査としてあまりに不十分で、レントゲンや超音波検査をしないと状況を予測できないところです。元気に見えていても、実は検査をしたら心臓が悪かったということがよくあるわけです。
近年、血液検査でも心臓の負担を測る項目が出てきたので、うまく利用したいところです。この疾患は、心臓の筋肉が肥大化して心臓の内腔が狭くなることで、心臓に入ってくる血液をうまく循環させることができないために、さまざまな病態につながっていきます。厄介なのは無症候で天寿を全うする子から、突然致死的な転帰をとる子もいることです。
心臓のうっ血が一定ラインを超えると、肺に水分がたまり呼吸が苦しくなり、心臓内で血液が乱流していると血栓ができて、それが太い動脈に詰まることで重篤な症状を引き起こします。
(2023年2月執筆)