在宅医療医による疼痛コントロール (2)
シニア 成人 診療のこと
腰痛などに代表されるような日常生活における身体的な疼痛についてお話しします。
日常生活の動作における疼痛が増悪する要因動作としては、生活に必要な体動、例えば食事動作・トイレ動作・入浴動作・買い物時などが挙げられます。特に動作時に疼痛があることによって、疼痛が生じる動作を避けるために行動範囲が狭くなり、結果、体力・筋力・気力も落ちてしまう傾向にあります。もちろん、基本的には安静に過ごすことが第一ですが、安静中にも、温める・冷却・マッサージ・自宅内での軽度な運動をすることによって改善を早める効果もあります。また、疼痛が不安を増強し、抑うつ状態に陥ることが疼痛の増強につながるケースも多々あります。
生活リズムの見直しが重要であり、十分な睡眠、食事をしっかり取ることはもちろん、気分転換になるような新しい行動をすることも疼痛コントロールに役に立ちます。
(2022年4月執筆)