不安に対する精神的な構え方
心・精神 診療のこと
動悸や過呼吸などを伴う急性不安症状(パニック発作)や慢性の不安はつらいものです。これはストレスなどで神経が過敏になって生じると考えられています。初期には薬物療法により症状を楽にするのが良いでしょう。
しかし、薬によっては依存性の問題もあります。長い目で見ると、ある精神的な構え方を身に付けるのが望ましいのです。それは逆説的ですが、不安を消そう・避けようと焦らないことです。不安を消そうとすると、神経の緊張を招き、症状は長引いてしまいます。
不安時にはなるべくリラックスしてゆっくり呼吸しながら、不安をあるがままに受け入れ、「いやだなあ、でも大丈夫」と過ぎ去るのを待ちます。ちょっとコツがいるのですが、大丈夫という体験を繰り返す間に、不安はいつの間にかなくなっているのです。よく言われる「マインドフルネス」と呼ばれる心構えがこれにあたります。
(2022年4月執筆)