「脂肪肝」意外と危険です
胸部・腹部
最近、健康診断などの超音波検査で脂肪肝を指摘される人が多く見受けられます。脂肪肝は内臓脂肪増加の一環として割と軽く考えられがちですが、それ自体、意外と危険な疾患なのです。
お酒の飲み過ぎが肝臓を傷めて、脂肪肝さらには肝硬変になることはよく知られています。お酒を飲まないか、あるいは少量しか飲まない非アルコール性脂肪肝の人でも、その1〜2割は徐々に肝硬変になり、中には肝がんになることがあります。肝硬変に進行する人の多くは肥満・高血圧・高脂血症・糖尿病などの基礎疾患を持っており、特に糖尿病が危険因子として重要と報告されています。
脂肪肝の人の7割以上が肥満を伴うため、治療の基本は食事・運動の改善です。カロリーを摂り過ぎず、魚類、オメガ3脂肪酸を多く含む食物(青魚・くるみ・荏胡麻など)や食物繊維を十分に摂取し、意識して有酸素運動を行いましょう。
(2020年6月執筆)