睡眠導入剤の長期服用について
薬
人は脳神経細胞の自然な緊張により正常な集中力や記憶力、運動バランスやホルモンの調節などを保っています。脳内にも神経の緊張が過度にならないように抑える物質があり、この物質を活性化するのが睡眠導入剤や精神安定剤です。適切な運動・睡眠環境・食生活・ストレスの軽減により改善しない強い不安や不眠のときに使用されます。
しかし、長期間の常用は全身のバランスが狂うだけでなく、突然中止すると脳神経緊張の抑制が効かず痙攣・精神錯乱・幻覚などを起こすことがあります。また、依存性や耐性を生じやすく、特に高齢者は薬の代謝・排泄機能が低下しているため体内に残りやすく、めまいを起こして転倒し、骨折する危険がありますし、認知症が増えるとも言われています。とはいっても、適切に使用すれば危険な薬ではありません。服用を始めるにも止めるにも、医師の指導に従って行いましょう。
(2020年1月執筆)