尋常性白斑
皮膚 診療のこと
皮膚の色が白く抜けてしまう皮膚の病気があります。尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)と言います。乳幼児から高齢者まで広く見られます。痒みは通常伴いませんが、全身皮膚のいずれの場所にも出現します。小さい病変から全身に広く出現することもあります。
原因は、免疫の作用によってメラノサイトという細胞が破壊されると考えられています。メラノサイトは皮膚の中にある細胞で、黄褐色のメラニンを作ります。そのためメラノサイトが破壊され、それが減少もしくは消失するとメラニンが作られなくなり、皮膚が白く抜けてしまいます。
治療は、範囲が小さい場合は副腎皮質ステロイドなどの塗り薬を使用します。また、全身に広がる場合は副腎皮質ステロイドを全身投与することもあります。その他、紫外線療法も有効です。いずれにしても短期間での改善は期待できず、根気よく治療を続けることが大切です。
(2019年9月執筆)