口腔アレルギー症候群
アレルギー 季節の注意
今の季節、スギやヒノキなどの花粉で悩まされている患者さんも多いです。花粉症の人が特定の果物や生野菜を食べた時「口の中がかゆくなる」といった症状が多くあり、それは口腔アレルギー症候群かもしれません。例えば、スギ花粉症がある場合、トマトを食べると15分以内に口の中や喉にかゆみやヒリヒリ感を感じたり、口腔内が腫れたり、鼻水が出たり、眼や皮膚のかゆみ、腹痛・下痢などの胃腸障害が現れることもあります。
これは果物や生野菜に含まれるアレルギーを起こす原因物質(アレルゲン)が、口の中の粘膜に触れて起こるアレルギー反応「交差反応」で、体内のIgE抗体が関係します。アレルゲンは小腸に達する前に壊れるため、主に口の中だけで反応が起こるとされています。治療は原因食物を摂取しないことが大切ですが、加熱した食品であれば摂取可能なこともあります。これらの症状が出た際は、抗ヒスタミン薬などで治療します。
(2019年3月執筆)