急性腸炎
ペット 診療のこと
下痢、軟便や血便、粘液便などの症状がみられます。また嘔吐などの胃の症状も伴うことも多くあります。ウイルスや細菌の感染が代表的で、洗剤や腐敗した食事の摂取など誤飲や誤食も原因の一つです。食事の変更やストレスなどちょっとしたことで起こることも多くあり、一般的には対症療法で様子を見ます。胃腸の負担を減らすために食事は低脂肪低繊維食、大腸性下痢では高繊維食が有効な場合があります。成犬では半日から一日の絶食が有効です。腸内の正常細菌叢が乱れると症状が悪化し、治癒が遅れることが多く、抗生剤や輸液療法が必要になることがあります。腸壁の粘膜バリアが破壊され粘膜がはがされ粘血便が出るようになると、下痢の時に食べていたタンパク質に対してアレルギーを作り出す危険があります。したがって、下痢の時は食事の注意が最も大切で、水分補給や抗生剤などが必要となります。
(2016年10月執筆)