輸液療法 (1)
ペット 診療のこと
輸液、点滴、補液といろいろな呼称がありますが、ここでは輸液療法として話していこうと思います。一般的には特定の疾患の療法というわけではなく、体液の異常を補正して抗病力を高める療法です。適切に行えば効果は高いことが多く、日常的によく行われています。
輸液療法の目的は循環血液量の補充、体液の組成の調節、栄養供給などがあります。そもそも体液とは水と電解質(ナトリウムなど)のことで、俗にいう栄養成分はまた別枠です。体液としての調節・補充は皮下のスペースに投与することもできることが多いですが、栄養成分は血管からの投与しかできません。従って、十分な栄養を長期間かつ間欠的に投与し続けるのは難しいことが多いです。
つまり、食欲がない子に輸液療法をするのは、直接栄養補充するというよりは、輸液を補充することで体調が良くなることにより、食餌として経口的に栄養を摂取してもらうことが大事だからなのです。
(2024年2月執筆)