貧血 (1)
ペット 血液・血管
「貧血」は割と聞き覚えのある言葉だと思いますが、原因を考えるとさまざまなデータのもとに考慮する必要があり、細かく分類されています。特にこの病態を考える際に重要なのは赤血球です。赤血球は骨髄で作られ、腎臓で産生されるエリスロポエチンという造血因子によって、全体としてのバランスが保たれています。
赤血球は全身に酸素や栄養を運びます。これが減って貧血になると、元気や食欲がなくなる、運動するとすぐ酸素が足りなくなり疲れてしまう、歯茎の色が蒼白、などといった症状が見られます。急激な貧血はぐっと調子が崩れますが、徐々に進行したものだと、飼い主が一目で異常を察知するには難しいこともあります。
貧血の治療では、まず検査で出血部位がないかを調べ、ノミを含めた感染症の除外や、赤血球の大きさ・濃さなどを評価して、原因を治療・コントロールし、自分で血をつくって維持することを考えるのが重要です。
(2023年12月執筆)