物言わない家族のために
ペット 診療のこと
病気とは、生き物の解剖学的構造、機能を変化させた結果、病状あるいは兆候を作り出すと考えられています。正常と異常を量的概念で正常値や異常値などと数値化され、症状などで表現して「病気である」とされます。
しかし医療に携わる側と本人、飼い主側では主観的な症状と異なることが多くあると思います。この患者の抱えている問題点を発見、認識、そして解決することが、医療の主なものと考えております。飼い主や家族、看護師や獣医師の皆が問題点に気づき、解決策にはどのようなものがあるのかを探ることが大切ではないでしょうか。
客観的な変化を把握するために患者情報・主訴・現病歴・既往歴・身体的検査などに加えて血液検査・尿検査なども必須のデータとして扱われることが多くなってきました。物言わない家族にとって、早い段階で変化に気づき、気軽に相談できる医療が大切だと思っております。
(2017年3月執筆)