細菌性腸炎
ペット 感染症 熱・咳・寒気
食中毒などで、病原性の細菌感染による下痢は理解できますが、クロストリジウムでは、正常細菌叢を構成する細菌でありますが、増殖するときに芽胞を形成した時に産生される蛋白毒素により腸炎を起こします。キャンピロバクターも健常な腸管内に認められますが、腸上皮内に侵入し毒素様物質を産生すると、腸粘膜が障害され下痢を起こします。あるいは腸粘膜にあるIgA(免疫蛋白)が粘液・粘膜バリアに異常をきたして細菌の侵入を許し、腸炎を引き起こすとされています。
腸内に毒素があれば、早く体外に排泄することが大事なので、生体の防御反応で下痢を起こすものと考えられます。症状としては水様性の下痢や粘液便、血便、しぶりなどが見られます。発熱や食欲低下や嘔吐なども見られます。
腸の運動を止めたり、無理に食事を与えると悪化することがあり、水分の補給や抗生物質の投与が必要になります。
(2016年11月執筆)