細菌性膀胱炎
ペット 感染症 診療のこと
細菌性膀胱炎では、大部分が消化管あるいは体表の細菌が尿道を経て上行感染することで起こります。生体の防御機構(膀胱からの排尿・粘膜バリア・尿の濃縮、構造)が何らかの要因により不備が起こると発症するとされています。頻尿・おもらし・血尿・排尿困難・排尿痛や発熱・食欲不振などが見られます。高齢の場合には症状がはっきりしないことが多く、異常に尿の臭いが強くなることがあります。診断には、適切な尿の採取による尿検査が必要で、再発やなかなか治らない場合には防御機構の不備以外に他の疾患が関係している可能性があります。例えば膀胱結石や腫瘍、前立腺炎があると細菌性膀胱炎を併発することがあります。適切な抗菌薬の使用により改善は容易ですが、耐性菌の発現が多くある疾患のため、頻回の尿検査と細菌培養と感受性検査が必要になります。兆候が見られたらまずは尿の検査をおすすめします。
(2016年1月執筆)